一般人がフィルムカメラを選ぶという逆転の発想
フィルムカメラを使う人は、フィルムでないと表現出来ない写真を撮りたい、現像プロセスなど手間を楽しみたい、デジタルが嫌いといったような、写真を仕事か趣味にしている(その中でも特殊な)崇高な人々の世界であると、今朝通勤電車に乗るまで思っていた。
しかし、写真にこだわりのない極々普通の人が、いや数多く撮らないからこそ、その機能性や合理性でフィルムカメラを使うのも、ありうるのではないかとJRの車中で閃いた。
写真にこだわりがなくとも、ボケのある写真を楽しみたいと思うのは不自然なことではない。少なくとも犯罪ではない。しかし、そのためにどんなカメラを用意すればよいのか? 徹底的にボケにこだわるなら、フルサイズと呼ばれるセンサーサイズ以上のセンサーのカメラを用意しないといけない気がしていた。(APS-Cのボケでも十分というと、話はここで終わりとなってしまう。本当に十分なの???)
今、フルサイズセンサーのデジタルカメラを買おうとすると、安く上げようとしても、いずれもソニーになるがRX1とか、α7といったカメラになろう。それでも、20万といった金額になる。これも犯罪ではないが、家族持ちにはそれくらい後ろめたい。
金額だけでも問題だが、その金額のカメラを持ち歩くとなると、神経の磨り減り具合も大変そうだ。しかも、フルサイズのデジタルカメラとなると、RX1を除くとかなり大きなサイズになる。これは持ち歩きにくい。
しかし、そこでデジタルを諦めフィルムカメラを選べば、数万円でフルサイズセンサー(?)が手に入るはず。自動露出は必要だが、オートフォーカスはなくても…、いややはり必要か? ともかく、オートで撮影できるフィルムカメラに、明るい単焦点レンズを付けておけばよい。 対象は、自分の子ども撮影だけなので、レンズの焦点距離も標準とかポートレート用といったひとつあればよい。
フィルムと現像にお金がかかるが、そこは、写真が趣味でない人向けに考えているので、子どもが大きくなるまで、張り切って撮っても本数はたかが知れている。100本なんて行かず、精々2-30本程度ではないか。となれば、フィルム1本1000円以上かかっても、フルサイズのデジタルカメラの初期投資より大分安いではないか。しかも、分割払いでよい。後ろめたさゼロ。後ろめたい思いしたのに、デジタルカメラを10年も買い換えずに使うかも疑問。逆に、フィルムや現像の方も値上がりする懸念はあるにはあるのだが、いくらなんでも1本1万円までは行かないはず。
フィルムならではの、すぐに結果が確認できない、1本買ったら撮りきらないともったいない気がする、デジタル化するためにはスキャンしないといけない、という問題はあるが、選択肢として全くないということも無い気がしている。1本撮りきらなくても、フルサイズのデジタルカメラ買うより安いのだ、次の撮影は何ヶ月先かわからんのだ、どんどん現像してしまえ。
という考え方で、写真にこだわっていない人が、機能性と合理性でフィルムカメラを選ぶっておもしろくない?
やっぱりない? ネガ持ち込みでフォトブックが作れればなぁ。